変わり者の悪あがき。

毎日を、つらつらと。

お気に入りは、カルボナーラ。

 

みなさん、料理はした事があるだろうか。

昨今では女性だけでなく男性も料理が出来る事がポイントになるらしいではないか。休日のおでかけ前やお家デートでちゃちゃっとご飯を作ることが出来ればモテモテ間違いなしであろう。「男の胃袋を掴む」という言葉はもはや昔のもので今はサプライズ、という名義で男性が女性に食卓を飾るのだ。

そう考えてみると女性は自分や家族の為に料理をする生活感に溢れたものであるのに対して、男性のそれは明らかに「趣味」や「特技」といった、衣食住という暮らしのサイクルに必ずしも当てはまっていないものなのだ、ということに気がついた。

 

何故それに気がついたのか。私が料理をする理由が「お腹がすいたから」ではなく「楽しいから」だからである。

 

私は料理が好きである。子供の頃母に教わった出汁巻から始まり、今では大抵のものは感覚で作れるくらいの腕前になった。

 

しかし前述の通り私が料理をする中で最も大きい理由が「楽しいから」という感情で成り立っている以上、料理へのこだわりが爆発してしまうのに長く時間はかからなかった。

 

カルボナーラはお好きだろうか?

濃厚なソースと絡めて食べるパスタは絶品で、パスタなんてものは麺を茹でてタネと合わせるだけなのでお気軽に作れてしまうのだ。

 

f:id:kawamoga:20180423185507j:image

↑こだわりが詰まったお手製カルボナーラ。手前味噌だが、なかなかに絶品である。

 

この「お気軽」が非常に良くないのだ。

勉強は長く続かないし、新しい事に挑戦してもいつも3日坊主の私が、何故かこのカルボナーラに対する情熱だけは雲を突き抜け大気圏に達するほどぐんぐんと湧き上がってくるのだ。

 

具体的には、オリーブオイルの量はこれくらいだとか、ベーコンの焼き具合はあれくらいだとか、麺はフィットチーネであるべきだとか、牛乳と生クリームを1:1で割るのがベストだとか、だからローマ風のカルボナーラは認めない、だとか。(決してローマをけなしているのではない。というか、ローマがどこにあるのかを私は知らない。知り合いでもないローマ人の料理にけちをつける私は全くけしからんヤツである。)

 

 

こだわり始めたらキリがないし、作ったものは食べなければいけないので、あれやこれやと試行錯誤しているうちに3日連続でカルボナーラをすすることになったあの時の私はきっとカルボナーラに取り憑かれていたのだろう。

 

しかしカルボナーラの霊がついに振り向いてくれたのか、あるいはあれだけ作っているのだから当然の事なのか、おかげで私はことカルボナーラに関してはかなり上手く作れるようになった。カルボナーラ検定なるものがあるとすれば間違いなく1級を取れるくらいの自信がある。まぁそんなものはないのだが。

 

それだけ上手く作れるのだから、じゃあ他の料理も相当なものなのでしょう?と思う人もいるかもしれないが、そんな事はない。私は料理研究家ではない。カルボナーラ研究家なのだ。カルボナーラしか愛せないのだ。だから、カルボナーラ以外は並みのものしか作れない。何故あの頃あんなにカルボナーラに入れ込んだのはついには私にも分からない。

 

 

 

全く私は変わり者である。